この4月から、江戸川区には危機管理室という部署ができています。
広報えどがわ4月1日号には、地震などの自然災害やインフルエンザなどの危機管理について、一元的に対応するために設置しましたとあります。以前は、放射能は危機管理室対応ではないという答弁でした。
今回私が質問したのは、危機管理の観点からの区民への情報発信のあり方について、区がどう考えているかということです。
今年2月に教育委員会は「屋外での清掃活動について」という通知を出しました。雨どいの下や側溝などで、高い放射線量が計測された場合の汚泥の処理のしかたについて通知したものです。ここで、矛盾を感じるのは、学校では測定しないのに、放射線量の高いところの清掃活動の汚泥の取り扱いについて学校に通知を出しているところです。放射線量が高いかどうかは、測定しなければわかりません。子どもたちの過ごす学校での測定は区の責任において行われるべきです。測らないのにこうした通知を出すこと自体問題です。その一方で、区長部局である保育園では文書での通知は出されず口頭説明だけでした。年齢が低いほど放射線の影響を受けやすいことは周知の事実です。こうした通知を出すにあたっては、危機管理室が責任をもって、区として統一した通知を出すべきではないかを、まず質しました。
汚泥は、例年、産廃業者が2tトラックで回収しており、放射能問題が起きてからも、まったく変わらず、区として測定もしていません。産廃業者が汚泥を引き取る基準は、国が一時保管の基準にしている8000Bqよりも低い、3000Bqという独自基準であり、引き取られているから問題ないと区は考えているからです。保育園では、これまで汚泥の量が少なかったので、落ち葉やごみを取り除いた後は園庭や花壇に戻していました。しかし、放射能の問題が起きてから、教育委員会と同様に産廃業者に引き取ってもらっています。この事実は、区民から見れば、通常の清掃活動ではなく、明らかに放射能対策といえるものです。やはり区としての計測がまずなされるべきです。業者が引き取ってくれるから、基準値以下で安全だというのでは、区としての責任を果たしたことにはなりません。
また、江戸川河川敷で200か所の放射線量を測定すること、区内で24万3000Bqもの放射能をもつ藍藻という藻が発見されたこと、区民はこれを報道で知りました。区が、どのような考えに基づき、放射能に関して何をしているのかを区民にはっきりと知らせるべきです。
区から出される適切でタイムリーな情報発信が区民の生活における危機管理に直結するのですから、区民への情報発信に、さらに力を入れるべきではないかと、見解を求めました。
区としては、部署によって異なる周知の仕方については改善していかなければならないと考えているとのことでした。区からの適切な情報発信については、正しい情報を発信するということで明確な答弁はありませんでした。
たとえば、汚泥について、私たち区民は、3000Bqという基準も知らされていません。業者が回収した汚泥は原発事故以来、関東近県の汚泥を関西方面の業者は引き取らなくなったので、今は福島や宮城の業者によって処理されています。私たちの調査では、この3000Bqの基準を超えた学校が1校あるということでした。砂場の放射線量を測定したときは、高いところを公表し、砂の入れ替えをしたのです。なぜ、今回は公表も何もしないのか。区が積極的に情報発信をしないから、区民のあいだに区への不信感が湧き、区に対して疑心暗鬼になるのです。住民の不安は、区が考えている以上に今でもたいへん大きいのだから、区として適切な情報発信はぜひともすべきと意見を述べました。