年頭に想う『銀英伝』事務局長として5年目の新春 

2020年が明けました。

ローテーションで伊藤ひとみと本西みつえにバトンタッチしてあっという間の5年でした。江戸川・生活者ネットワークの事務局長として走ってきました。

今年は国も都も「オリンピック・パラリンピック」の話題をメインに、他のことはオブラートにくるんで進めていくのかと、少し暗澹たる気持ちで迎えた新年です。

『銀河英雄伝説』と言うベタな題名の小説をご存知でしょうか?昨秋、朝日新聞で取りあげられた「銀英伝が問う民主主義」という見出しに、何度も読み返した『銀河英雄伝説』を改めて開きました。『銀河英雄伝説』は、民衆に公平であろうとする専制国家の独裁者ラインハルトと衆遇政治に陥った政治家たちのもとで、苦悩しながらも軍属として生きるヤン・ウェンリーの葛藤を描いた小説です。こういう言い方が適切であるのかどうかは別として、ある意味「理想的な専制君主」であるラインハルトと文民統治のもと、選挙で支持を得るために、無謀な戦いを強行する政治家に熱烈な支援の声を送る民衆の愚かさに、やりきれない思いを抱きながら、民主主義のために戦うヤン。

「専制君主制は、君主が変わるとそれまでの政治が一変するから民主主義は正しい」と当たり前のように考えてきました。しかし、現在、一党独裁の国々が、国際的に発言権を大きくしている状況に「この方が効率がよい」と考える人々は多くいるでしょう。草の根市民活動やボトムアップの根幹にある「自由」は私たちの不断の努力で維持していかなければならないと考えさせられます。

集団的自衛権・秘密保護法・共謀罪法など、解釈のしかたによっては、治める側にいくらでも有利にはたらきかねない制度がどんどんできました。中東への自衛隊派遣も閣議決定されました。「他人任せにしない」自分たちの生活をよくするのはやっぱり自分たちです。今年も、走り続ける!と気持ちを新たにした新年でした。

みなさんからのご意見・提案が私たちの活動の源です。今年もどうぞよろしくお願いします。