スーパー堤防に関しては、11月の委員会で北小岩1丁目東部地区(18班地区)の方々が出された、スーパー堤防建設に反対する陳情は不採択になりましたが、18班地区では、スーパー堤防事業計画決定の取り消しを求める訴訟を起こしてまで、反対している方々がいます。
12月24日の建設委員会では、「国が出した国交省の水管理・国土保全局関係予算決定概要によると、スーパー堤防関連の来年度予算として、高規格堤防(スーパー堤防)事業について具体的な扱いとして、(1)予算成立後の実施計画策定時に確定する(2)新規箇所には着手しないこととする、とあり、18班地区については、国は新規事業とみなしているので、当然予算はつかず、区としては25年度以降に予算化されることに期待をして、粛々と事業は進める。」という内容の報告がされました。 また、この予算概要にある「人口が集中した区域で、堤防が決壊すると甚大な被害が発生する可能性が高い区間」とはまさに、江戸川区のことで、今後の区間として1〜2割に縮小された区間に荒川、江戸川の下流域は含まれていることから、スーパー堤防事業は認められたのだと考えている、との土木部長の発言がありました。
江戸川や荒川最下流域は、住宅密集地であり、2度の移転を含め、多くの人に長年にわたり過度な負担をかけるこの事業がスムーズにすすむとは考えにくいことです。江戸川区より、上流の地域の災害危険度の高いところで実施することで被害も抑えられるのではないかと考えます。24年度予算概要のくだりには、依然として「計画規模を上回る洪水でも決壊しない堤防」とありますが、こういう過信が禁物であることを私たちは今回の大震災で学んだはずです。18班地区に限らずスーパー堤防事業については、これまでも言ってきたように、費用対効果の面や住民に与える大きな負担からも、事業の継続は考えられないことです。
18班以外の北小岩地区のスーパー堤防に関する陳情は引き続き審査されています。24年度の予算概要には、災害危険度の高い地域において効果的な災害予防対策を行う、予防的な治水対策に1477億円ついています。しかし、私たちが以前から指摘しているように、北小岩はかつて破堤したこともなく、陳情にあるように、自然堤防の上に10m嵩上げされ、緩傾斜堤防の工事も行なわれました。地震にも強く今回の東日本大震災でも、被害を受けませんでした。また、河川敷も広く、北小岩で破堤する可能性はたいへん低いといえます。新たに税金をかけて、進める必要はないと考えています。
最後に、委員会で、今回の震災で被害のあったスーパー堤防の視察に行くことはいかがかと、提案をしました。千葉県香取市の津ノ宮地区の高規格堤防など、実際に、どういうことが起きたのかを知っておくことも必要です。委員長は「検討します。」と言いましたが、前回のように、また聞き置いただけで終わるかもしれません。次回1月19日の委員会でどのような返答がくるのか確認します。