昨年11月にオープンした「玉川子ども図書館」は、2001年12月に制定された「金沢こども条例(子どもの幸せと健やかな成長を図るための社会の役割に関する条例)」に則り「金沢子ども読書推進プラン」を作成し、活字離れにストップをかけようと始められた事業です。「図書館は静かに読書するところ」という既成概念にとらわれて、なかなか行きにくいと感じていた小さい子どもをもつお母さんたちにとって、利用しやすいことを目的とした図書館です。
「小さいときから本のある場で育つ」「親子でいられる」「本が読めて楽しめるところ(児童館とは違う)」と子どもたち主体に考えられ、絵本が3割と低学年向けの児童文学、自然科学の本などが置かれています。蔵書数は現在6万冊ですが、11万冊まで増やす予定。また、デジタル絵本がメディアコーナーにあり、読書に親しむためのひとつのツールとして使われています。もともと民間会社だった建物を、土地・建物を7億7千万円で購入しました。そのため、外観はいかにもオフィスという感じですが、中は楽しい雰囲気になっていて、この日は、入口のディスプレイスペースで大きなペーパークラフトのイカやタコなどが迎えてくれました。
江戸川区でも、篠崎で「子ども未来館」の建設が、来年春のオープン目指して進んでいます。1階は子ども専門の「子どもライブラリー」に、2階は「子どもアカデミー」という科学の実験もできる学びの施設になる計画です。
金沢市の「子ども条例」は、策定までの経過として、一般の市民によるフォーラムや中学生会議など、子どもである当事者の意見や多様な意見を取り入れ検討がされました。単に、子ども図書館の建設だけではなく、こうした経過の中で造られたことが重要なことだと考えます。江戸川区の「子ども未来館」のライブラリーも、多くの子どもたちが、楽しく読書に親しめるような施設にしていきたいものです。