子どもの権利      2014年を迎えて

今年は、日本が子どもの権利条約を批准してから20年になる年です。年明け最初の1月14日の文教委員会では、2月5日の委員会で採択・不採択の結論が出せる陳情を各会派が表明しただけで実質的な陳情審査はしませんでした。結論を出すことになった陳情のなかで、子どもの権利に絡むものとして学童登録児童の補食の復活を求めるものがあります。

子どもの権利条約をお読みになったことはありますか?http://www.unicef.or.jp/kodomo/nani/kenri/syo1-8.htm 

 12条には、意見表明権として「子どもは、自分に関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は、子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。」これまでも情報提供してきましたが、学童登録児童の補食の廃止は、昨年4月の216事業の見直しのなかで、突然出された、就学援助家庭への補食の助成を打ち切る決定がなされたことに伴い、補食そのものが廃止されてしまったものです。1年近くたった今でも低学年の子どもたちは、夕方になると「すくすくスクール」のスタッフに「おなかすいたぁ~。」と寄ってくるそうです。

 これまで、地域の代表としてサポートセンターが行ってきたクリスマス会でも、おやつの提供は実質できなくなっています。計画していたサポートセンターに、教育委員会から「イベントの趣旨は食べものじゃないでしょう」と言われたということで、いくらサポートセンターが計画したものであっても職員としては「やりましょう」とは言えず、地域の方も子どもたちと教育委員会の板挟みになってしまう職員に無理を言うことができない状況になっています。かわいそうなのは子どもたちです。

 前段で子どもの意見表明権について書きましたが、補食を廃止するにあたって、子どもたちの意見を聞いたということはなく、廃棄するものが増えたとか、希望する家庭が少ないからなどという理由だけで、必要としている家庭の子どもがいるにもかかわらず、廃止してしまったのです。今年は、子ども・子育て支援法(2012年8月)に基づいて開催される「江戸川区子ども・子育て応援会議」で、6月に「放課後児童クラブ(江戸川区ではすくすくスクールの学童登録児童)」の設置・運営についての条例制定が行われます。補食も関係してくると思われるこの条例制定に向けて、当事者である子どもたちへのアンケート調査を求めてきましたが、区は必要ないと答弁しています。

 補食の廃止の問題は、子どもの権利条約の4つの柱「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」のすべてに抵触すると考えています。個々の家庭の事情で、学童登録せざるをえない家庭の子どもたちにとっての補食の意味を、教育委員会はもう一度考え直すべきです。今年は、子どもたちにとって、補食だけでなく、未就学児の保育事業についても、条例制定が予定されています。しっかりと当事者の声を反映させるよう活動していきます。