スーパー堤防事業の問題点を問う~一般質問より

 24日、一般質問を行いました。順次ご報告いたします。 

 土地区画整理事業について質問します。

区は北小岩1丁目東部土地区画整理事業において、4月、直接施行の方針を打ち出し、まず本年度の予備費を充てることとしました。江戸川区の予備費は、2010年度からは3億円で推移していますが、予期せぬ事態に備えるという性質上、議会審査を通さず、区長決済で執行できます。2012年度は、解散に伴う衆院選や辞職による都知事選といった突発的な事態に2億9千万円以上使用されましたが、今回の措置は、継続してきている政策的な事業に対してであり、さらに、今定例会には、同様の趣旨で8千万円の補正予算が組まれてもいることを思えば、この件に関しての予備費の執行は、極めて不適切な対応であると考えます。そもそも直接施行の規定は、制度上備えられているということであり、現実としては、あくまでも回避されるべきものであるとの認識に立ち、伺います。

①これまで数多くの土地区画整理事業を実施してきた江戸川区において、直接施行が行われた事例について、また、東京全体では、どの程度なされているのか、直接施行の件数及びその状況を伺います。 

土木部長)区では、平成10年葛西組合、12年一之江西部 24年 瑞江(都施行)と3件あった。都では8件。それぞれ換地や補償金など理由はさまざま。回避に努め、直接施行に至らたなかった事例も数多くある。

 北小岩1丁目では、今なお苦悩し、疲弊しながらそこに住み続ける住民、諸事情により持ち主が居住しておらず取り壊しできない家屋があります。今でこそ残っているのは7軒ほどになっていますが、本件事業が持ち上がった当初は、全戸対象のアンケートでは92%の方々が反対し、昨年来仮移転した方々についても、決して積極的に賛成の意思を持つに至った方ばかりではありません。家族との思い出が詰まり、終の棲家としていた自宅の取り壊し・立ち退き、3年以上の仮住まい、堤防上の権利制限、盛り土や傾斜地での生活の不安など、ほかの事業にはおよそ見られない、数々の大きな負担や被害を負いながらも、事業に取り込まれることを避けられない多数の住民がいる一方で、平井4丁目では、この3月、スーパー堤防事業により、事業が長期化することに伴う金利負担を理由にするデベロッパーの意向で、計画地でありながら、スーパー堤防化が断念されました。国にとっては治水面において、江戸川区にとっては、脆弱な地形をカバーするまちづくりにおいて、必要不可欠な事業であると喧伝されながら、大企業が、自己都合で回避できるのに対し、生活権、財産権をも脅かされる住民の犠牲はとてつもなく大きく、明らかにバランスを失しています。

②同一の事業において、明白な不公平、不平等が生じている点について、またその結果、堤防事業でありながらつながらず、散発的な整備に終わる点について、区の見解を伺います。

土木部長)国と事業者の協議が整わなかった。延長120kmを国は完成させると言っている。実績をつくり、事業を加速させていく。

③「多くの方が立ち退きをして完成を待っている」という同僚議員への答弁がありましたが、こういう状況になると、反対し続けている方々への見方も厳しくなりがちですが、こうした事態は丁寧な合意形成を軽んじてきた区の進め方に原因があるのではないかと考えます。見解を伺います。

土木部長) 合意形成を軽んじたということはない。

④同様に「他の区画整理事業と何ら変わらない」という答弁もありましたが、通常の区画整理であれば、地権者には移転通知照会がなされるところ、北小岩の場合は除却通知照会が全員になされています。このような処分はこれまでにあったのでしょうか?

土木部長) 区画整理だが、北小岩は、換地して、盛り土して、地権者が戻るという手順でやっている。

区長は招集挨拶で「法に従い、然るべく対処をしなければならない」と話されました。この措置はスーパー堤防事業に起因するものか、区画整理事業に起因するものなのか伺います。

土木部長) 区画整理事業に起因するもの。

 これまでも再三申し上げてきましたが、住民の意思を置き去りに事業ありきで進めてきた区の責任は大きく、それを自覚し、反省すべきです。ご答弁のとおり、引き続き住民と真摯に向き合うよう努力を続けることを求めます。 

 直接施行は区画整理法に規定されていますが、スーパー堤防事業は地権者の合意を得て盛り土を行う事業であり、強制力を備えた事業ではありません。そして北小岩は、スーパー堤防事業のための障害となるから家屋などを移転ではなく除却し、一斉に更地にして一旦国に引き渡すのです。そのためには、区画整理の事業計画に、「共同実施」が盛り込まれなければなりませんが、現在まだなされていません。よって、国が現状、スーパー堤防事業を実施することは不可能であり、直接施行を行える段階にはないことを指摘します。 

 また、大企業の意向は聞き入れるのに、一般住民の意向は聞き入れないというのは、行政にあるまじき姿勢です。当初の計画から120kmに大幅に縮小してさえ、こうした事態を生んでいるのが現実であり、事業継続への疑問が解消されることはありません。部分的な整備では、逆にその両側が危険にさらされます。 これまでの区の説明に照らせば、荒川右岸は、平井のこの場所から深刻な洪水被害を受けることになりますが、これについていかがでしょうか。

土木部長)既成市街地でのスーパー堤防化は実績が少ないが、区が先例となってすすめていく。

 昨日、区長は、「水害には広域行政として対策すべき」と答弁されましたが、対象エリアとなっている近隣の自治体において、今後スーパー堤防事業を推進する方針はありません。スーパー堤防について、広域行政は見込めないと考えますが、お答えください。

土木部長)区が先例となってすすめていけば、広域行政となりうる。