子宮頸がん予防ワクチンについて     ~副反応は? 予算特別委員会報告④~

 健康費では、子宮頸がん予防ワクチンについて質問しました。

・子宮頸がん予防ワクチンについて

質問  4月から、予防接種法に基づく定期接種対象に追加されることになった。厚生労働省へ の副反応の報告はこれまでに800件以上。区では重篤な副反応について報告はあるか?

  重篤なものは報告されていない。筋肉注射であるため、ショック症状と思われる短時間の失神の報告が2件。他には筋肉痛などの症状があったという報告はある。

質問   他区では重篤な副反応の事例があったが、区として認識しているか?

  報道にあった程度。筋肉注射による失神の可能性があるので、接種後30分くらい病院で休んでから帰宅させるなど、注意している。

意見  子宮頸がんはウィルス性のがんなので、予防接種する以前に、定期的に健診をすることや性教育で充分に予防できるもの。定期接種にあたっては、情報や副反応について対象者にしっかりと情報提供することを要望。

 ※子宮頸がん : 子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウィルス)に感染することによって発症するがんです。HPVには100種類以上の型があり、そのうち15種類ほどが子宮がんと関係していると言われています。HPVは性交渉のある女性であれば99%が感染し、知らない間に排除されるごく普通にあるウィルスです。一方で感染した人のうち4%が前がん状態になりますが、多くの場合放置しておいても治癒します。しかし、ごく一部のケースでがんに進行します。進行の度合いはゆっくりで10年ほどの期間をかけて浸潤がんになると言われています。この間に検診で早期発見が可能です。子宮頸がんは検診で防げると言われる所以です。

このように、検診で発見できることがわかっている子宮頸がんであるにも関わらず、子宮頸がん予防ワクチンは、4月から、予防接種法に基づく定期接種対象に追加されることになりました。予防ワクチンはサーバリックス(HPV16・18型に有効)、ガーダシル(HPV6・11・16・18に有効)の2種類がありますが、これらのワクチンで防ぐことのできない型のHPVもあるので、やはり検診が有効になります。

杉並区の女子中学生が歩行困難な状況で1年以上通学できない状況であったことについて、杉並・生活者ネットワーク議員が昨年の議会で質したところ、杉並区は助成開始以降の重篤な副反応の事例はないと答弁しましたが、実際には、医療機関からサーバリックスの副反応として保健所に報告され、区が事実を把握していたことが発覚し問題になりました。

そもそも予防接種は、インフルエンザや風疹など蔓延する恐れのある疾病に対して行われるものであり、がん対策としての予防接種とは基本的な考え方が異なります。生活者ネットとして、予防接種以前のこととして、本当に必要なのは性教育などを充実させることで、正しい情報提供をすべきだと考えます。定期接種になると、自治体は接種勧奨をすることになります。接種にあたっては、子宮頸がんの実態やHPVや副反応についてなどの情報を得て、自分で判断することが必要です。

  他には、引きこもりがちな精神障がいの方々への支援事業である「アウトリーチ事業」について質問しました。普段の生活が困難で、受診勧奨や福祉サービス等の利用のすすめに応じることができない状況にある精神障がい者の方々への支援事業ですが、相談があった時に紹介するだけでなく、このようなサービスがあることを、健康サポートセンターや熟年相談室、地域活動支援センターなどで積極的に知らせることを要望しました。