学校統廃合の取り組みについてin墨田区 子育て・教育力特別委員会視察
12月14日(金)委員会視察で墨田区教育委員会に行き、学校統廃合の取り組みについて話を伺ってきました。
江戸川区でも、今後子どもの数は減っていくことがわかっています。現在、73校ある小学校、33校ある中学校の統廃合については。今後考えていかなければならないと、区長も第3回定例本会議の招集挨拶で述べたところです。おりしも、現在、築50年以上の学校について改築を始めたところであり、第1号の松江小学校は12月に校舎が完成し、1月から児童たちは新しい小学校に通うことになります。学校改築と統廃合、地域の実情を考慮していかなければなりません。
墨田区では、すでに1992(平成4)年から、「墨田区立学校適正規模審議会」を立ち上げ、1995(平成7)年には答申を出し、学校統廃合(墨田区では学校適正配置とよんでいます)について、基本的方向性を確立しました。1997(平成9)年に「墨田区学校適正配置計画」と「墨田区立学校統合跡地の利用に関する基本方針」を策定しました。その計画に基づいて、小学校・中学校をグループ化したのです。たとえば、小学校A・B・C校をまとめて第1グループとし、3校合わせて適正な規模の小学校にする計画をたてます。そしてB校を仮校舎として使用、その間にA校の敷地に新校舎を建てます。名前は全く別のD小学校としました。C校は「跡地の利用に関する基本方針」に基づいてその使用方法を決定します。これまでに、福祉施設や地域プラザなどの建設例があります。2005(平成17)年までこの方式でしたが、さらに小規模校化が進んだため、2008(平成20)年3月「新たな墨田区立学校適正配置等実施計画」を策定し、以後この実施計画に基づいて墨田区内小・中学校を数校ずつ8ブロックに分け、住民基本台帳上の児童・生徒数の推移をもとにして、それぞれの学校が適正規模(12~18学級)となるように統廃合を行っていくこととしたものです。
向島中学校・鐘淵中学校の場合は、2013(平成25)年4月の統合を目指して2009(平成21)年から、「準備会だより」を発行し、新しい学校名や、校歌に入れたいことばなどを募集したりしました。準備委員会は両中PTA、PTAOB、ブロック内小学校PTA、町会・自治会、地域の育成委員会、学校運営協議会そして校長・副校長で構成されています。具体的なことについて、進捗状況を地域や学校に知らせています。
話を聞いて、墨田区では、どのような状況になったら統廃合を考えるのかが方針としてはっきり示されていること、学校の跡地をどのように使うかの方針もしっかりと策定されていることが、印象に残りました。また、2009年の実施計画策定にあたっては、4年前から、「新たな学校作り調査検討報告書」を出し、審議会へ諮問し、答申を出し、行政内部組織で検討、答申に基づいて作られた実施計画案を各地域で説明会を開き、公表してパブリックコメントを募集しました。今後、江戸川区でも起きてくるこの統廃合問題について、先輩墨田区のやり方は、たいへん参考になりました。行き当たりばったりで進められることのないように、当事者・住民の意見が反映されるように、チェックしていかなければなりません。