築地の話

移転先の豊洲の液状化対策は?

地震のあと、地域をまわっていろいろな方々の話を聞いています。昨日お会いした方のなかに、築地市場に関係した会社に勤めている方がいらっしゃいました。

「今回の地震で、移転する予定になっている豊洲の液状化がひどいと聞いて、多くの関係者が心配している。築地の方は、積み重ねた発泡スチロールの空箱が崩れることもなかった。移転先の豊洲については、土壌汚染に加えて液状化も心配の種になった。」さらに、今回の福島原子力発電所の事故で、これまでは健康に良いとされ、海外で人気だった「SUSHI」などに代表される日本食の素材である魚の輸出がまったくストップし、経営が成り立たなくなってきている店もあり「しばらく休業状態にしなければならない店もこれからでてくる。地震というひとつの出来事で、まったく経済が変わってしまうことが実際にあると痛切に感じている。」とその方はおっしゃっていました。

もともと、築地市場が移転する予定の豊洲の東京ガス工場跡地は、ベンゼンやシアン化合物などの石炭・石油の成分を含んだ物質による土壌汚染で、昨年度の土壌対策費は586億円、用地取得には、別に1,260億円が計上されています。液状化について都は「対策前なので想定済み、対策に変更はない」とのことで、今回何か所で液状化が出たかは調査中。

液状化対策として、これから圧力をかけた砂を打ち込んで固める「砂杭締め固め工法」と固化材で地盤を格子状に固める「固化工法」を採用していくそうですが、液状化対策として万全なのでしょうか? 砂杭は緩んでくるし、固化工法は5〜10mの深さで予定されているが、液状化を想定するなら地下水を浸透しない不透水層の下までやらなければならないこと、また豊洲の土壌は油分を含んでいるのでセメントで固める固化方法その門が適していない、という専門家の意見が、東京新聞(3月17日付)で報道されています。
液状化に完ぺきといえる対策は難しいのでしょうが、食を扱う東京の台所です。ただでさえ、福島原発の事故で、放射能に汚染された水が海に流されたことで魚介類にもヨウ素基準が設定され、日本近海の魚への影響が心配される事態となっています。「豊洲産」の魚だということで不安をかきたてることがあってはならないと考えます。