変えられるか 議会のあり方

「市民と議員の条例づくり交流会議2009」に参加しました。議員になってから、毎年参加しています。自治体議会改革フォーラムが呼びかけているこの会議は、会派・イデオロギーにとらわれず、議会での活発な意見交換や、市民参加、情報公開、説明責任などを主軸に、地域民主主義の基盤をつくり直す運動をしている多くの研究者や市民が発足させたグループです。

この会に出ていて思うのは、先駆的に議会改革をしているところは、地方議会が二元代表制であることを理解しているということです。

二元代表制というのは首長(江戸川区の場合は区長になります。「しゅちょう」ではなく「くびちょう」と言われます。市長と混同するからというのが定説のようです。)と議会議員をともに住民が直接、選挙で選ぶ制度です。区民の信託を受けた2つの代表機関ということになります。ここが、国政と大きく違うところです。国政は、議員で組織される国会で指名する内閣総理大臣が内閣を組織する議員内閣制をとっています。そこで、内閣を支持する政党とそうでない政党との間に与党・野党という関係ができます。地方議会でも首長を支持する会派とそうではない会派との間にいわゆる、区長与党(23区の場合)と言われたりする与野党関係のようなものが存在することもありますが、本来は地方議会に与野党は制度としては存在しません。

議会は首長と対等の機関としてその自治体の運営の方針を議決し、きちんと行われているかを監視していくべきものです。議会は憲法上「議事機関」と規定されています。これは議会が自治体の重要事項について審議し、自治体の意思を決定する機関だということを意味していると考えます。地方自治法(96条1項、100条)でも議会に対して、立法権限、行政的意思決定権限、行政監視権限があると規定しています。立法権限があるということは、議会にも政策提案をして、議会を政策形成の場にすることができると考えます。

今回このフォーラムで講演・報告した自治体は、栗山町議会、三重県議会などですが、どの自治体も議会がひとつにまとまって、議会基本条例を制定し、議会改革をすすめ、行政をチェックしていること、住民の意見を取り入れる場を議会全体で積極的に設けていることです。

今の江戸川区議会は、残念ながら議会がひとつにまとまって何かをするということからは程遠い状態にあります。

行政に追随すること(をよしとする大会派に対して、少数会派が何を言っても数で対抗することができないからです。何が何でも反対するのではなく、是々非々の論理で、議会活動をしていますが、前例・慣例の壁に阻まれることも多くあります。もっと、議会内で議員同士が会派を越えて学習し、意見交換し、議論を重ね、行政の側に対して、議会として意見を述べることができないものか、と考えます。「本来の二元代表制を実現したい」心底そう思った「市民と議員の条例づくり会議」でした。