区長は、「女性に配慮するよりも、まず災害要援護者への配慮が先で、女性には、逆に協力してほしい。」と答弁をしました。この点は、「女性に配慮をなどと言っているのではなく、女性の視点を取り入れるべき」と質問したことに対して、まったくかみ合っていません。ネットとして主張したことは、「男女別の更衣室や授乳室の設置」「高齢者へのきざみ食」など、日常生活を営む一助になることが、女性の視点を取り入れることで成果につながるということです。
女性は、日ごろから地域で活動し、地域のネットワークをもち、隣近所の事情にも詳しいので、まさに防災対策に女性の視点は欠かせません。
区長はじめ警察、消防、自衛隊などの公共機関からの代表、有識者として参加している区議会議長や連合町会長など、江戸川区防災会議条例で決められているメンバーによって構成される防災会議に、女性の参加を求めるべきと提案しました。答弁は「公的機関は代表者が出るもので、代表が女性であれば、女性が出ることになるから、今のままで変える気はない。」ということでした。現在、70名のメンバーのなかに、女性が1人もいないということは、女性の意見は反映できないということにもつながります。区長が任命あるいは委嘱するのだから、学識経験者に女性を入れることは可能です。
今年2月に中央防災会議が出した「防災基本計画 修正版」にも「防災に関する政策・方針決定過程および防災の現場における女性の参画を拡大し、」という一文が明記されてもいるし、「女性の視点からの防災対策のススメ」というリーフレットを作成している大分県の例もあるということを述べて、ぜひ再検討すべきと要望しました。
新潟中越地震のあと、新潟県では防災に関する審議会に看護師と民生委員の2人の女性を入れることにしました。先日、防災についての講演会で、講師の大島煦美子さんが、「普段から男女共同参画の視点を意識しないと、非日常である避難所での男女のニーズの違いについて、女性の視点も取り入れるという意識を持つことは難しい」と仰っていたことを思い出しました。機会あるごとに、男女共同参画の考え方を取り入れていくことが必要だと痛感しました。