防災を考える②

新潟での被災現場から

7月26日(土)

講演「防災・災害復興と女性」を聞いて

新潟県女性財団理事長の大島 煦美子さんが、ご自身で体験した新潟での2度の大きな地震を事例に、実践的なお話をしてくださいました。
避難所では担当職員に女性がいたところでは、支援物資の仕分け、たとえばオムツは子ども用・介護用、サイズ別など整理されて置かれていたという例があります。日々の生活の営みに携わることの多い女性の視点で見ることで、女性に限らず避難所で生活している人たち全員が生活しやすい状況を作り出せるのです。ただ、性別による役割分担は避難所でも見受けられ、仕事を持つ男女が避難所にもどってきても、食事の支度は女性のみがしたり、女性の職場復帰は男性に比べて遅れたりということもあったとのこと。
プライバシーの面から紙製の間仕切りで授乳室や更衣室を設けるなどの工夫も必要だったのですが、夏に発生した中越沖地震の時には暑くて使えず、外にテントを張って確保したそうです。季節に応じた対策も必要になることを、改めて認識しました。「苦しいときこそ、ほんのささやかな心配りが、1人ひとりの元気のもとになる」「災害時には日常ではそれほどはっきり見えない社会的性差があらわになる場でもあり、普段から、このような社会的性差に敏感な視点をもって地域づくりを心がけることが大切」という大島さんのことばが印象に残りました。
2005年に策定された、国の男女共同参画基本計画(第2次)には、新たな分野への取り組みとして「男女のニーズの違いを考慮した防災対策」がはっきりと打ち出されています。高齢者や障がい者への支援が先だという考え方も、もちろんありますが、高齢者にも障がい者にも女性と男性がいます。高齢者とか障がい者ということばのひとくくりではまとめられないこともあるのです。防災会議は条例で警察・消防署などの関係行政機関と町会・自治会の長で作られることになっているので、女性がそういう役職についていない江戸川区では、防災会議に女性は出席していません。まだまだ江戸川区では、女性が指導的地位につくことも、意思決定機関に所属することも、少ないのが実状です。今後、女性の視点を取り入れることを、あらゆる機会をつかって提案していこうと思っています。

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