調布市の特別支援教育

教育委員会指導室でヒアリングをしてきました

特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象であった障がいに加えて、LD(学習障がい)、ADHD(注意欠陥╱多動性障がい)、高機能自閉症も含めて障がいのある児童・生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点にたち、1人1人の教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善または克服するために、指導、支援を行うものです。

調布市は平成16年度から18年度までの3年間、特別支援教育体制・副席モデル事業を行ってきました。調布市教育委員会指導室のお2人の先生に話を伺いました。
調布市では指導室が「校内委員会運営マニュアル」を作成し、各学校でそのまま使えるようになっています。また、教室で行う特別支援教育教本として「子どもの発達に応じた支援ヒント集」という冊子も各校に配布されています。初めての取り組みで、委員会の運営方法や教室での指導をどうしたらよいかわからないとの現場の声に応えたものです。コーディネーターも養護教諭+教師の複数制にしています。
担当教員と協力し、児童・生徒を支えるスクールサポーター(退職した教員が多く、各校配置のほかに移動可能なサポーターも2人います)が全校に配置されていることや、市内にある大学の発達心理学を専攻している学生がボランティアとして派遣される(大学と連携して単位として認められるそうです。)など人手を確保することに力を入れていることは、うらやましいことでした。
専門家チームも設置されています。医者、臨床発達心理士、言語聴覚士、作業療法士などを含み、各学校で年6回(1回は校内研修のため)の巡回相談を実施しています。

江戸川区でも小中学校で、特別支援教育のための校内委員会やコーディネーターをおき、2学期から、医師、臨床心理士などを含めた専門家チームの派遣を始めました。子どもの様子を専門家が観ることで、それまで気づかなかったことや違った形の支援の方法に、具体的な提案がされていくことを期待します。
 まだまだ、一般の保護者や地域の方々へのPRが不足している特別支援教育です。今年度、始まったばかりの事業でもあり、行政の動きをしっかり見つつ、現場の声も聞きながらより良い制度にしていこうと思っています。