要支援1、2の方への支援はどうなる!? 決算特別委員会での質問
10月30日、国の社会保障審議会 介護保険部会が開催され「予防給付の見直しと地域支援事業の充実について」の提案があり、2017年度末までに、すべての自治体で地域支援事業へ移行する案が示されました。
この見直しについては、先の決算特別委員会で、委員外議員として発言し、江戸川区の考え方を質しました。区の答弁は、まだ制度化されていないし、介護保険部会で審議していくので、現在は答えようがないというものでしたが、2年後には移行が始まるのです。本来ならば、区としてある程度の見通しなり、方針なりをもっていると思うのですが、回答は、現段階では国の介護保険検討部会の資料を読み込んでいるということに終始しました。質問の内容を以下に記します。
質問 区内の要支援1、2の人数と介護保険給付費286億円のうち要支援1、2の金額は?
答 直近8月で、要支援1 3025人、要支援2 2390人、金額は15億円くらい
質問 前回の制度改正時、介護予防に力を入れるために、要支援1、2という枠を設けたが、それについての評価は?
答 訪問リハビリなど、介護予防サービス充実のため、制度に則り、認定区分を見直して対応。
質問 そのなかで、掃除・買いものなど生活援助といわれるサービスについて、区が把握している現状とその評価は?
答 訪問介護連絡会などに参加し、きちんと把握している。
質問 ぜひ、現場の声の反映を。制度外になった場合、地域のNPOやボランタリーな活動を担い手とするようだが、区では具体的にどんな方がそれにあたると考えるか。
答 区内で活動しているNPOやボランティアの方々。
質問 そのための環境を整えなければならない。そのような団体への支援についてはどう考えているか?
答 今は制度がどうなるかの状況をみている状況。人的・金銭的な支援も視野に入れなければならないが、国の検討部会の動きを見極めていく。
意見 今後は見守りや話し相手などのボランタリー的な活動と公費に基づいて今事業展開しているサービスとの区別を明確にしていくべき。専門性が求められる分野については補償されなければならない。誰もがその人らしく地域で暮らし続けられる仕組みが重要であり、介護の社会化を後退させないためには、生活援助などのサービスは不可欠。将来的に地域支援事業を再構築して移行していくのであれば、財源確保と受け皿となるべき地域の基盤整備が絶対条件だ。
介護保険の財政が厳しいことは確かですが、地方自治体にお任せにして、サービスは充実し、しかも費用が抑えられるということができるのでしょうか?厚労省はこれまでと変わらないとしていますが、介護保険で賄われているうちは、資金不足に陥っても補正予算や基金などから充当できますが、自治体の事業になれば、予算が決められ、その範囲内でサービスが行われることになります。おのずと上限が決まります。受けたいサービスが受けられなくなることもありうるということです。地方自治体に任せられるボランタリー的なものと給付に残すべき専門性が必要なものとをきちんと分ける必要があります。