PPSの導入・再生可能エネルギーについて 

議会報告⑤

最後に、1、電力供給の多元化と2.再生可能エネルギーの導入について聞きました。

1.江戸川区では、現在小中学校6校が、23区が共同出資をして作ったPPS(特定規模電気事業者)のひとつである東京エコサービスからの電気を購入しています。PPSの導入については、東京電力の値上げへの反発もあり、自治体での電力入札への動きが活発化しました。区立の小中学校では、これまでにかなりの節電を行ってきており、さらに省エネ意識も浸透しているので、PPS導入が有効です。

電力供給契約においては、地球温暖化対策として環境配慮契約法による採用方式が地方公共団体においても努力義務となっており、ほとんどの自治体で、環境配慮契約法の示す手続き・手順が採用されています。PPSの導入にあたっては環境負荷の少ない電力を供給できる事業所を探すことを提案し、区の考えを聞きました。

2.再生可能エネルギーの導入については、東京都が昨年12月、「2020年の東京」を策定し、そのなかで「低炭素で高効率な自立・分散型エネルギー社会を創出する」を目標の柱に設け、東京都の再生可能エネルギーの利用拡大とその目標値として、電力供給量の20%を目指すことを掲げていることから、区としての具体的目標を定めることへの考えを聞きました。

区の答弁は1.PPSは導入していく。東電より安く、安定供給が条件。現在、小中学校50校へのPPS導入を考えているとのことでした。環境負荷の少ない契約に関しては、答弁がありませんでした。2.再生可能エネルギーに関しては、都が20%という目標をたてているのだから、区も当然20%が目標だということでした。

江戸川区には地域エネルギービジョンとして「エコタウンえどがわ推進計画」があります。今年度、2004年対比でCO2を6%削減することや、中期目標・長期目標としての再生可能エネルギーの利用やエネルギー自給率の向上などが盛り込まれています。取組みの基本方針すべての項に再生可能エネルギーの積極的採用が謳われているのですから、今年度が第1次目標の達成期間の終了の年でもあり、再生可能エネルギー利用に関しては、具体的に検討していくべきです。

地球やひとにやさしく、かつ持続可能なエネルギーとして注目され、日本は世界最高水準の技術も持ちながら、原子力発電を基幹とする国策のもとで、なかなか政策転換がすすんできませんでした。世界に例をみない今回の原発事故を経験したことで、再生可能エネルギーへの要請は大きく高まっています。

私たち、東京都民は自分たちが使っている電気が、遠く離れた東北電力管内の福島県や新潟県から供給され、地元では大きな問題となる原子力発電所建設の是非についても、立地地域のみの問題とし、電力消費者という一方の当事者でありながら、関与してこなかったことを重く受け止めるべきです。原子力発電所から生まれる電力は、食べ物と同様に命の問題につながることを実感した今、自治体においても自らが選択すべき身近な問題として捉えるべきです。