東京・生活者ネットワークで法政大学大学院教授の廣瀬克哉さんをお招きして、議会改革について座談会に出る機会がありました。他にも新人候補者の方がいるにもかかわらず、声をかけていただいて、よい勉強の機会を与えてもらいました。
私は、今回の統一地方選で初めて立候補する新人ではあるけれど、これからは「知りませんでした」ではすまされない立場になる(なりたいと思っている)ので、講師の廣瀬先生や現職の議員の方々の話はとても参考になりました。
今回の統一地方選挙のネットワークの政策は「こだわって地域 変えます!議会 つくります!仕事」を掲げています。
テレビで中継されている国会の様子を見ても、各議員からの質問とそれに対する答え、時々とばされるヤジ・・・で、あまりおもしろくない。区議会もそこは同じで、あらかじめ質問は出してあるわけで、用意された質問に用意された答え、シナリオができている。筋書きどおり進んでおしまい、ということになる。これでは動員をかけられたとき以外には傍聴に行こうなどという気はおきない。だいたい一般の人たちは、いつどこで議会が開かれ、何の審議をしているのかを知らない人の方が多いのではないかと思う。もっとPRしたほうがいい。区報やホームページでは読む人に限界がある。
私が議会について「えっ!?」と思ったのは、小学校のPTA会長をしているときに現在、文部科学省で進めている「放課後子どもプラン」の原型となった「すくすくスクール」を江戸川区が3年前に立ち上げたときのことです。私の小学校はそんなことをことさら声高に実施し呼びかける必要のないほど、子どもたちは校庭で遊び、近所の卒業生はしょっちゅう遊びに来て、地域の方々との交流も充分ありました。にもかかわらず、議会を通ったので、一律の制度として実施しなければならないのだといわれたのです。必要だと思っていない現場があっても計画や制度が決まってしまう、当事者ぬきで物事が進んでしまう、これはおかしいと思いました。「すくすくスクール」の構想自体は、江戸川区全体の子どもたちの放課後対策として、長い目で見ればたいへんすばらしいものだとは思っています。けれどももっと、現場の声を聞いてからにしてほしかった。
廣瀬先生の紹介してくれたイギリスの「クエスチョンタイム」の話です。議会を傍聴している人たちのメインイベントみたいなもので1問1答形式。1問目だけは最初の1文が、議員にも傍聴している市民にも配られるが、あとは完全な自由討議なのだそうです。そこでいかに、傍聴している人々にアピールできるかが議員の資質の判断材料にされるという。これでは、漫然と議員をしているわけにはいかない。ちゃんと議員も勉強するようになるとてもよい制度です。
議会をもっともっとオープンにしたらいいと思う。興味のない人たちの関心を引くには議会のあり方とそのPRを考える必要があるように思える。議員同士が傍聴者の前で、喧々諤々意見を交わせる議会をつくりたいと心から思います。ほんとうに勉強になった座談会でした。
(この座談会は、東京・生活者ネットワークの機関情報誌「生活者通信」2007年1月号に収録予定。ご希望の方にはお届けしますので、ご一報ください。定期購読者も募集中。年会費千円、月刊。)