子どもたちの専用電話である「えどがわチャイルドライン」を開催している「江戸川子どもおんぶず」の理事の方々のお話を伺いました。それぞれの立場から今の子どもたちとその保護者、またそれをとりまく環境、今抱えている問題などについて話してくださいました。
電話での対応で実感することは、掛けてくる子どもたちは「自分を肯定する」ということが少ないこと。さまざまな家庭環境や学校などでの課題が背後にあることを感じるが、電話は子どもたちの話に耳を傾け、その子ども自身の解決力を引き出す手伝いをする道具であり、それ以上の介入はできないそうです。
「発見きち」という子どもの遊び場でも活動している方の話も聞くことができました。小学校のPTAに関わっていた時にその活動について聞く機会があり、「子どもたちのために外で思いっきり遊べる場を作ってくれているお母さんたちがいる」と、とても感銘をおぼえたことを記憶しています。遊び場では、直接子どもと関わることができ、子どもたちの顔色やしぐさで、子どもからのメッセージを受けることが可能です。長く活動してきて、最初に幼児だった子どもも中高生になっていて、遊び場では子どもたちののリーダーとして頼もしい存在になっているといいます。
小児科医の立場からも現在の若いお母さんたちの不安、また不安をあおるような現状について報告がありました。
議論の中では、『現代は子育てに関する情報の量が多いので、親がその情報に影響されることも多く、たとえば軽度発達障がいなどが認められるようになってよかったところもあり、一方で、過剰に心配する親が増えたことも確か。「たいていのことは大丈夫」と言ってくれる人がそばにいないことや、安心感を与えてくれる人が少ないのではないかということも問題。また、子どもが他からはみ出さないようにと、すぐに矯正しようとするが、何からはみ出さないようにするのかが、はっきりしていないこと。乳幼児健診自体も元々は障がいのある乳幼児の早期発見だったが、今は育児支援を行なったり虐待を見つける場にもなっている。』などの意見や指摘がありました。
いろいろな話を聞いて、行政の側には、子ども専門の職員がもっといるべきだと感じました。さまざまな相談に応えるためにどこが窓口なのか、また子どもたちの抱えている問題は複合的であり横の連携をとれる職員が行政の側にいないことも問題ではないでしょうか。保健師の数も少ないし、遊び場の担い手も少ない。お話を聞いていて子どもたちを支えていくためには、行政の責務ととして、子どもに対して人手もお金ももっとかけるべきです。その上で、ボランティアだからこそできる豊かな活動が活かされるのではないでしょうか。