「食」の教育課題実践推進校としての説明会と講演会があり、区立鹿本幼稚園に行ってきました。小学校の先生方との情報交換の折に、朝食を食べてこない子どもたちが増えているという話を聞いた園では、「食べること」の大切さを、子どもたちだけでなく保護者にも理解してもらおうと、「食」をカリキュラムに取り入れました。
「食べもの」に関心をもたせるために、野菜の栽培をしたり、お弁当や朝食の献立のヒントを冊子にしたり、キャラクターを使って読み聞かせをしたりなど、いろいろな工夫が試みられていました。
4歳児クラスでは、まず「楽しく、安心して食べること」をいちばんの目標にし、5歳児クラスではランチョンマットに、三大栄養素を「アカベエ」(たんぱく質)「ミドスケ」(ビタミン)「キサク」(炭水化物)のキャラクターにわけて、それぞれの代表的な食品をプリントしたものを使い、お弁当に入っているものに興味をもたせるようにしたそうです。
栽培した野菜を切って、夏野菜カレーを作ったときは「僕が切ったピーマンおいしいよ」とか、まったくトマトを食べられなかった子が、自分の作ったミニトマトを4つに切ってその1つだけだったけれど食べられたとか。自分たちで育てて、収穫し、調理した野菜は特別のものになったようです。
子ども自身が自ら食材を選択し、調理する能力を身につけることは「生きる力」の基本になることだと思います。幼児期の「食べもの」に関する体験は、きっと成長してからも大きく影響してくるでしょう。
「食」はまず家庭から。園や学校にまかせっぱなしにしないで、家庭でも、もっと「食べること」に関心を向けなければならないと改めて感じさせられました。自戒の念をこめて。