阪神・淡路大震災の経験を生かした防災対策

「人と防災未来センター」

 会派メンバーによる初めての視察に行きました。視察報告は会派のHPに全員のものが載っています。ここでは、特に印象に残ったいくつかの取り組みを報告します。
 このセンターは、阪神・淡路大震災の経験を継承し、災害による被害の軽減を目標に作られた「防災未来館」と、命の大切さを学べる「ひと未来館」の2つの施設からできています。大型スクリーンで、地震のすさまじさを体感し、再現された震災直後の街並みの展示を通ってみて、いざ自然災害が起こると人間というのは何と無力なんだろうと圧倒されました。まず、助かること、そこからすべてが始まることを改めて感じました。
 地震直後の生活から日数が経つにつれての生活や心境の変化などをグラフや表にして解説したものもありました。防災研究、防災専門家の育成も行われていますし、アジア防災センターや国連地域開発センター防災計画事務所なども入居しています。展示については、神戸の場合まったく予期していなかったところに起きた大地震だったので、普段の暮らしがどのようになって、どう復興していったかという視点からのものが多くなっています。
 震災を体験した方のお話にでてきた「あの人たちは震災にあってたいへんだった、かわいそうだった」と被災者の心情を思いやることだけでなく、「災害にあったら、自分たちは何をするべきなのか」をここで考えて自分の周囲の人たちに伝えていってほしいということばが印象的でした。災害を忘れずに、次の世代に伝えていく、この姿勢はたいへん大事なものです。
 江戸川区では災害が起きた場合に備えて、郵便局やNTT、医師会などの公共機関や町会・自治会、コンビニ、エフエム江戸川などの協力団体と、どのように連携するかを「江戸川区地域防災計画」のなかで、具体的に決めています。この連携を使っての大規模な防災訓練も年に1度行われています。地域ごとの防災訓練や消防団の訓練も多くの方が参加して行われています。
 防災は、まず「自助」(自分の命は自分で守る)、次に「共助」(地域が助け合って安全を守る)、「公助」(行政の個人や地域への取組みの支援や「自助・共助」で解決できない大きな仕事)で、この連携が大切だといわれます。私たちも普段から、まず、自分たちがしのいでいける物品を用意しておくこと、そしてご近所の方々とのおつきあいを大切にしていくことなどを、常に心にとめておかなければならないと、再認識しました。

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