4年生、5年生ではコミュニケーションすることが入ってきます。挨拶、歌に加えて、4年生は数字を使ったゲームやクイズ大会を子どもたち同士でしたり、5年生は道案内ができるように前後左右の方向や、病院や駅などの建物の名前を繰り返して覚えたりしていました。わかくさ学級では八百屋さんでの買いものご っこをしていました。お客役をした子のなかには、くだものの名前を言うのではなく、”Purple fruit, please.”(紫のフルーツをください。)などと言う子もいて、その応用力と発音には驚かされました。
文科省の『小学校英語活動実践の手引』の作成協力者で都教育庁の「小学校外国語活動推進委員」でもある上越教育大学の渡邉寛治教授の講演会にも参加しました。「外国語活動をするねらいは、外国語を習得することではなく、外国の人との音声言語活動を通して、積極的にコミュニケーションをとろうとする力をつけること」なのだそうです。
2年後には小学校5、6年生では「外国語活動」として英語が必修になります。わかくさ学級では、リズミカルな英語という言語で、お互いのコミュニケーションを図ることの楽しさを体感することが、子どもたちにとってはよい経験になると思います。ただ通常学級ではどうでしょうか。いくら、指導要領で、「小学校の外国語活動は、言語のスキルを高めるものではない」といっても、単語の習得や読み書きについても熱心な先生や保護者も出てくるのではないでしょうか。コミュニケーション能力を高めることが目的ならば、日本語をしっかりと学び、自分を表現することでも充分達成できると思うのですが。
他人と違っていてもかまわない、自分の考えを伝える、また自分と違う意見を受け入れる、このような考え方の柔軟性を養うのには、何も英語でなくてもよいように思うのです。
生き生きと楽しそうに授業を受けている子どもたちを見ながら、英語力を評価する授業にならないでほしいと痛切に思います。