昨年11月に視察した上越市安塚区のNPO法人「雪のふるさと安塚」を立ち上げた旧安塚町長 矢野 学さんを講師に、公共サービスを担っているNPOと市民参加での地方自治のあり方について基調講演してもらいました。
広さ970平方㎞(江戸川区の約20倍)、人口21万人の上越市において、安塚区の人口は3200人余、合併によって上越市は広大な敷地になりました。市街地から離れた安塚区では、合併によって安塚町であった時代の住民サービスが維持されないのではという懸念があり、NPO法人を登記し、上越市の業務を受託し運営をしています。草刈、スクールバスの運行など25事業を受けています。安塚区の85%の世帯が会員です。地域コミュニティ全体でNPO法人を運営していることは驚きでしたが、まさに自分たちの手で自分たちの暮らしよい地域を作っている例です。資金がまわること、人を確保することに加えて、傍目で見ているのではなく自ら行動する意識を育てることが、NPOが新たに公共サービスを担っていくために必要だと再確認しました。
また、上越市は合併後、それぞれ地域が自分たちで課題に取り組み、解決していくための仕組みとして13の地域自治区を設置しています。自治区には地域協議会が配置され、委員が公募で選ばれ住民同士が話し合いを行い地域の意見の取りまとめを行う「地域協議会」があります。市長は重要な計画や施策などを実施する前に当該地区の協議会の意見を聞かなければなりません。市民の意見が反映されるしくみです。委員の任期は4年、交通費として1,220円は支給されますが原則無報酬、このような組織が活発になれば地方自治は変わります。ほんとうの意味での市民自治ができるのではないかと思います。これが進んでいけば、議会の必要性はなくなるかも???