原発がなくても電気の供給はカバーできる

緊急集会「それゆけ!市民のつどい」を終えて

  3月27日の集会には、区内外から大勢の参加者があり、田中優さんの講演や地域の団体のアピールなどで、盛りだくさんの充実した集会になりました。当初は、来月24日が投票日である区議会議員選挙に向けた政策発表集会の予定でした。しかし、東日本大災害の深刻な状況から、私たちの活動である駅頭や集会なども自粛しているのが現状です。一方で、毎日、被災地域や原発事故による放射能汚染の情報が報道されている中で、東京に住む私たちの生活に大きな影響が出てきていることに、多くの人々は不安や疑問を持っています。原発はなくてはならないものだと信じ込んでいる人もたくさんいるのではないでしょうか。そこで、緊急集会として、原発問題の現状認識と今後に向けて、どのように考え行動していくべきなのか、という内容に変更し開催することにしました。

 毎日、テレビや新聞などで原発事故に関する報道が伝えられていますが、原発の廃止を明言する専門家はなく、報道もありません。また、毎日、計画停電で仕事や生活に多大な負担を強いられているにも関わらず、東京電力の責任を追求するものもほどんどありません。おかしなことです。田中優さんは、原発事故は起こるべくして起こったものであり、回復する見込みもほとんどない。その責任は、明らかに原発を推進してきた電力会社にあると話されました。それよりも、この状況が沈静化するものなのか、未だ予断をゆるすものではなく、妊婦さんや乳児はしばらく遠くに避難しているほうがいいということも。これほどまで、命に危険を及ぼす原発を容認する必要があるのか、その他の道はないのか、その回答が明確に示されました。

 今の発電の考え方は、一年間通してもっとも電気消費量が多い夏の昼間のわずか10時間に合わせて発電させている。その時間帯使っているのは企業の電気であること。今、言われている夏場の省エネをするなら、それは企業がしなければならない。企業の省エネをすすめるためには、電気料金の仕組みを変えることで可能になる。そして、省エネをした上で、太陽光、地熱、風力や波力発電など、日本の技術はとても優れており、これらの電力で十分間に合うこと。また、自然エネルギーを促進させることで新たな雇用までも確保できこれらのことが、現状のデータの分析などから、明確な回答が示されました。

 今のエネルギー政策を大きく転換させるためには、電力会社と癒着している政党や政治家がいる限りすすめることはできない。しかし、政治団体である生活者ネットワークが、今の政権の中にぜひとも押し込んでいくべきだと、田中優さんの話は結ばれました。
今のチャンスを逃したら、また、同じことの繰り返しです。今後、すすめるべき道すじが見えてきたことで、私自身の大きな力にもなったと実感しています。