子どもの権利施策の進捗は?  子どもの権利条約20年を迎えるにあたって

2014年3月31日 21時44分 | カテゴリー: 活動報告

  子どもの権利条約を日本が批准して4月で20年になります。3月30日、子どもの権利条例東京市民フォーラム主催の「東京都・自治体の子どもの権利施策はどこまで進んだか」というシンポジウムに出席しました。

  都内各自治体の子育て支援施策の比較、次世代育成支援計画策定より10年を経過するにあたって、子どもの権利施策について当初の目標数値と実績などの比較を自治体ごとに調査したものを基にした講演を聞きました。

 23区では、目黒区、豊島区、世田谷区に子どもの権利に関する条例がありますが、子どもの権利というと、「子ども中心主義で、条例を拡大解釈することによって指導、しつけが否定されかねない」とか「権利の名のもとに子どものわがままを助長する」などと言う人もいます。けれども、子どもの権利条例の制定は、今の子どもたちが受け身で主体的に動く力が弱っていることを危惧することから始まりました。「子どもの権利条約」の理念も、子どもはもっと自分の意思や力に自信を持ち、大人も子どもたちを信頼して任せるべきだというものです。

 江戸川区では、次世代育成支援行動計画において、子ども自身の育ちを応援するという意味では、中学生の職場体験、チャレンジ・ザ・ドリームや学習相談などを行う学校サポート教室などは充実してきています。子育て支援については延長保育実施園の数や育児ストレス相談数など目標数を上まわったものもありますが、夜間保育などの実施は検討中にとどまっています。ただ、子どもたちの声を聞くということに関しては、学童登録児童の補食についてや子ども子育て支援計画のニーズ調査においても、直接子どもたちの声を聞くという姿勢はありません。子どもたちの権利のひとつに意見を表明する権利があります。保護者・指導者の代弁ではなく、子どもたち自身の意見を汲み取る姿勢が必要です。

 子ども権利侵害のひとつに「いじめ」があります。この「いじめ」に関して、昨年6月東京都教育委員会は、都立高校生対象に、「生活指導統一基準」を策定しました。2015年度から実施されるこの基準では、「いじめ」は覚せい剤やシンナー等の薬物の使用と同列の問題行動として扱われており、停学・退学などの懲戒処分で、自分のしたことに責任をとらせたうえで指導するという取組みになっています。東京都は、厳罰主義の最先端だというシンポジストのことば通りです。6月に「いじめ防止条例」が都議会に提出されることになっています。いじめに特化した条例を作っても根本的な解決にはならないと考えますが、どのような条例になるのかチェックしていくことが必要です。

  一方で、都が実施している子どもの権利施策としては、スクールソーシャルワーカーの設置の推進があります。スクールソーシャルワーカーは、虐待や問題行動など学校だけでは対応できない問題を関係する福祉機関などと連携するために行動するもので、スクールカウンセラーが心理面での専門家であるのに対し福祉面での専門家として動きます。生活者ネットワークでも、これまで本会議質問や予算・決算特別委員会で配置するようにと提案してきましたが、区はスクールカウンセラーを全校に配置しているから必要ないという答弁に終始しています。役割の異なる専門職なのですから、全校配置は無理でも、子ども家庭支援センターに配置し、必要に応じて学校に派遣することも考えられるのです。今後も提案を続けていこうと思っています。