子宮頸がん予防ワクチンの接種事業の中断及び中止を求める要望書を提出

2013年5月19日 13時39分 | カテゴリー: 活動報告

17日 都内16地域の生活者ネットワークの都議会・市議会・区議会議員など22名で厚生労働省の担当者と面会し、要請・交渉を行いました。

  子宮頸がん予防ワクチンは、この4月から定期予防接種化されました。定期予防接種化されたということは、自治体は接種勧奨といって接種を勧めることになります。しかし、このワクチンの接種によって起きた副反応は3月現在で、全国で1926例にもなります。インフルエンザの予防接種の副反応と比べると約40倍も多い数値です。生活者ネットワークは、安全性や有効性について充分な確認・検証などの体制が整備されるまでは、国として子宮頸がんワクチン接種を中断し、課題が残る場合はワクチン接種を中止するように求めました。

 これに対して、厚生労働省の担当者からは「このワクチンの導入にあたっては、政治的な力が働いたと聞いている」との発言もありました。「世界各国で行われているものであり、WHOも接種を勧めている。社会的要請が高いということで任意接種から定期接種にした。今、不十分なデータで日本だけが接種を中止すことはできない。」と言うのです。「今後、科学的評価に耐えうる材料を集める」と言いましたが、その方法を問うと、10万件分の接種した人としていない人の比較が必要と、まるで今接種を受けている女子中学生は実験体のような認識で、怒りすら覚えました。

 15日に行われた副反応に関する担当者会議では、製薬会社から献金をもらっている2人の医師が「接種を止めなくていいんじゃないか」という意見を述べ、議決もされないまま「中止するに足る医学的根拠はない」と『被害者の家族の会』からの中止要請を採用しなかったそうです。

 ワクチンを接種したからといって、100%子宮頸がんにかからないわけではありません。効果年数も今のところ7.5年とか8.4年とかよくわからないことも多いのです。定期接種で無料だからと言うだけの理由で、検診で充分に予防できるがんである子宮頸がんのワクチンを接種するのではなく、きちんと情報を入手し、接種するかしないか、お子さんと話し合って、決めていただきたいと思います。

 以下に要望書全文を掲載します。

厚生労働大臣 田村 憲久 様     東京・生活者ネットワーク 代表 西崎 光子

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種事業の中断及び中止と

副反応被害者に対する救済体制整備を求める要望書

予防接種法の改正(2013年4月1日施行)により、定期予防接種の対象疾病A類にHPV(ヒトパピローマウィルス)が位置づけられた。HPV感染症予防を目的にした「子宮頸がん予防ワクチン」は、これまでも「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金」事業として、2012年度末まで国の補助を受けた事業が進められ、中学1年生~高校1年生の女子の多くがワクチンを接種している。

 このHPVワクチンについては、前がん状態を減らしたデータはあるが、最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンスについてはない、ワクチンの有効性の持続期間も明らかではない(添付文書)、予防効果があるのはハイリスクHPVの16・18型のみであり、これに起因する子宮頸がんは全体の約半分など、有効性について様々な問題が指摘されている。

また「若い世代の子宮頸がんが増加、HPVワクチン接種が必要」とされてきたが、子宮頸がん死亡率はこの30年間で大きく減少している。若い世代についても、検診により発見が早まり、罹患率は上昇しているものの、死亡率は微増、ワクチンの必要性の根拠そのものにも大きな疑問を持たざるを得ない。もちろん、子宮頸がんの予防・罹患率の減少は必要であるが、HPVに感染してもほとんどの場合ウィルスは自然に排除、長期間感染が続く場合、ごく一部のケースで長期間かけて浸潤がんに至るという子宮頸がんの発症プロセスの特徴と、ワクチンの有効性の限界を考えた時、優先すべきは検診率の向上であることは明らかである。イギリスでは女性看護師が普通のベッドで検診できる体制を整備し、検診率が向上、日本では、検診率の低さが課題とされながら、抜本的な改善対策がとられていない。

さらに危惧すべき重大な問題として、副反応の実態がある。これまで約2000例に及ぶ副反応が報告されており、頻度としてはインフルエンザワクチンの40倍といわれる。重篤な症状で苦しむ被害者の声がメディアで報道され、被害者連絡会には、同様の症状で悩む相談の声が多く寄せられている。このワクチンについては、臨床試験の終了を待たずに国が導入を決めた経緯があり、治験が不十分であった疑義が拭えない。免疫作用を高める目的で加えられた化学物質(アジュバント)が自己免疫疾患や神経系の難病を誘発する危険性が指摘されているが、改めて、詳細な実態把握と疫学調査を早期に実施し、対策を講じる必要がある。10万件に何事例など、頻度としてのデータから検討するのではなく、10代の女性が苦しんでいる個々の事例に、国は真摯に向き合うべきである。

 また、本来、子どもと保護者には、ワクチンについて十分な説明を受けて接種の是非を判断する権利があるが、現状では、ワクチン接種のメリットだけが強調され、効果の限界や副作用の可能性について説明が欠如している。自治体が適正な説明を行っていない状況に対しても、これまでも、特例交付金により接種を促進、4月から接種事業は自治事務となったとはいえ、法改正により定期接種化を決めた国の責任は大きい。

よって、東京・生活者ネットワークは、安全性や医学的効果の充分な確認・検証など、少なくとも、以下について、完全に体制が整備されるまでは、国として、ワクチン接種を中断すること、少しでも課題が残る場合は、HPVワクチンの接種を中止することを求めるものである。

                記

1. ワクチンの効果の限界や副作用の可能性について、自治体が十分な説明を行うよう、国として対応する。

2. 副作用について、任意接種時の症例も含め、広域的に調査、原因を究明し、治療・症状の改善に努める。また、情報提供によって、今後、さらに副反応の事例が急増することが予測されることも踏まえ、相談体制、救済の仕組みを拡充する。

3. 子宮頸がんを予防、罹患を減らすという本来の目的に鑑み、検診率の向上を目指し、検診を受けやすくするための工夫について早急に研究、実施する。

4. ワクチンについてのリスクも含めた教育、リプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点での教育をすすめる。

5. 以上について、HPVワクチン接種を中断した上で、体制を整備する。多少なりとも課題がある場合は、接種を中止する。