原発がなくても電力は足りる 

2011年11月4日 09時59分 | カテゴリー: 活動報告

   田中優さんの講演を聞いて

今日の話を聞いて、いかに日本の電力の供給の仕組みがおかしいのか、改めて考えさせられました。2日に、経済産業省が、電気料金の決め方の見直しを行う「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」を開き、枝野経産相が「現行制度のもと、早急にできる対策を検討してほしい」と述べ、年明けに改善点をまとめるという報道がありました。この有識者会議の検討項目のなかには、「料金算定の元となる需要想定、設備投資計画の適切性」というのがありました。

電気料金は、電力事業法にのっとった公共料金の算定方法「総括原価方式」で算出されます。電気料金に、電力会社が設備投資したお金(電気事業固定資産=発送電施設)の3%を上乗せすることができることは、ご存知でしたか?発電・送電・電力販売に関わるすべての費用を「総括原価」としてコストに反映させる仕組みになっているために、電力会社は発電所を作れば作るほど、電力料金に上乗せすることができるので、儲かる仕組みになっています。地震を避けることができないこの日本に原子力発電所を、54基も作ってきた理由のひとつです。

原発は、一度稼動させると、発電し続けます。冷温停止という手段をとったにしても、核反応を完全に停止し、コントロールすることはできないからです。そのため、電気の需要を大きくしていく必要がありました。オール電化住宅は、そのための究極の一手段と言われています。オール電化はCO2の排出を抑えるものでもなく、電磁波の問題もあると指摘されています。WHOが4ミリガウス以上の生活環境で暮らすと、小児白血病の発生が倍になると警告しているにも関わらず、日本ではこの基準が2000ミリガウスになっていること、これは、開発中のリニアモーターカーの基準に合わせた数値だそうです。日本は、家庭が基準ではなく企業・経済が基準の中心にあるのです。

また、月々の電気料金については、家庭では電気を使えば使うほど単価が高くなり、料金がかさみますが、企業は、逆に使えば使うほど単価は低くなるのです。企業が節電しなくてもよい料金体系になっています。

また、電気は貯められないので、いちばん需要が高い夏場のピーク時に合わせて発電しています。この電気需要のピークを下げることで、電力の供給量を減らすことができます。原発がないと、電力不足になると考えている方もいらっしゃると思いますが、そんなことはないのです。このピーク時に、いちばん電気を消費しているのは、企業です。使えば使うほど、単価が低くなる企業の電気料金体系を見直すことで、抑えることができるのです。これで、25%の発電量がいらなくなるという計算結果があります。原発の供給するこのピーク時の電力量は20%ですから、原発がなくても企業の節電だけで、新たな発電所を考えなくても電力需要はまかなえることになります。

今年の夏の節電キャンペーン、それぞれが節電を意識して過ごしました。やってみたら、こんなに無駄に電気を使っていたんだと気づいた方も多いのではないでしょうか。家計の足しになり、無駄に電力を消費していたところがあったことに気づかされもしました。節電することは、もちろん大切なことです。ただ、過ぎてみれば、あんなに大騒ぎする必要があったのかと思えるふしもあります。原発がないと、電力がまかなえないというキャンペーンを鵜呑みにしてはならないのです。冬に向けて、新たな節電が言われ始めました。正しい情報で、冷静に行動することが必要です。