職場体験で発見した本当の自分

チャレンジ ザ ドリーム報告会より

江戸川区では、中学校2年生になると、実際に仕事に携わる5日間の職場体験授業があります。知らないおとなと関わることでコミュニケーション力や社会性を養うこと、自分の将来を考えることを目的に実施されている「チャレンジ ザ ドリーム」です。28日、グリーンパレスで報告会が行われ、子育て・教育力向上特別委員会の委員である私も参加させてもらい、職場を体験した生徒たち、担当した先生、受け入れた事業所の方の話を聞くことができました。

この事業が始まって6年、当初は受け入れ先の事業所を探すのに先生方もたいへん苦労されていたようですが、年を追うごとに定着してきたようで、担当した先生からは、依頼した事業所の方々が快く引き受けてくださるところの多さに驚いたという話をしていました。2010年度は約1700もの事業所が協力を受諾してくれたそうです。

今回の発表で印象に残ったのは、自分が希望していたところとは違う職場にいくことになった生徒の話でした。
仲のよい友だちと違う保育園に行くことになり、「どうして、私だけ第一希望の保育園じゃないの?」と先生に尋ねところ「おまえなら大丈夫」という答えが返ってきて、それが、自分を見つめなおすきっかけになったというのです。普段、誰とでも明るく接し、うまくやっている表向きの顔を評価され「無理してそのように振舞っているのであって、本当はそうではないのに…」と思いながら、保育園での職場体験が始まりました。そして、小さい子どもたちと一緒に遊んでいて、ふと、楽しく明るく自然に接している自分に気づき、表向きの顔と思っていた自分も本当の自分なのだとわかったという話でした。

中学生では、自分のまわりにいるおとなたちはある程度限られています。これまで知らなかった環境で初めて出会ったおとなたちに囲まれて仕事を体験した子どもたちは、わずか5日間で学校でも家庭でも、その成長が見て取れるものになってきています。そこにはさまざまなドラマがあるのでしょう。
今後も地域の協力のもとで、さまざまなチャレンジを経験し、社会に対し夢を持つという大きな力を育んでほしいと思います。