都市農業見学in世田谷

クラインガルテンの車椅子の方が利用できる畑→

昨年、第4回定例本会議で江戸川区の緑保全と農業振興策の充実を提案しました。
江戸川区の農業は、都内でもトップクラスに位置する状況です。しかし、区内の農地面積は1997年に約100haあったものが2007年には約74haと10年で4分の1が減っています。また、農家の数も472戸から394戸と約90戸減少しており、毎年9戸の農家が農業をやめています。その原因は、農業者の高齢化や後継者がいないということです。特に、都市部の農地はだいじな自然環境であり、市民の財産でもあると考えます。
江戸川区の農地保全のための取り組みとして、やる気のある農業者支援策として認定農業者制度、農業ボランティア、ファーマーズクラブなどの施策をすすめています。認定農業者制度については、江戸川ネットが数年前から提案してきたものが実際にはじまっていますが、今後もその拡大を提案したところです。

さて、今回は、参議院議員の大河原まさこ事務所が主催した都市農業を考える学習会が世田谷であったので参加しました。世田谷区は2009年には農地面積116ha農家戸数397戸と、10年前と比べて農地は3割減、農家戸数は約100戸減っており、江戸川区と似た状況です。
また、江戸川区と同様の「区民農園」、りんごやなしの収穫が体験できる「ふれあい農園」(江戸川区ではジャガイモや枝豆の収穫が体験できます。)、江戸川区の「ファーマーズクラブ」にあたる「体験農園」があります。世田谷の「体験農園」は、行政からの支援はなく農家が自分の土地を使って、収穫までの農業指導をするものです。江戸川区の「ファーマーズクラブ」は、区がパイロット事業として始めたもので、これ以上拡大するつもりはないというのが区の考えです。こうした「体験農園」は農地とみなされるもので、これを広げていくことが農地保全にもつながるのです。世田谷では民間の体験農園は3か所あるものの、事業として成り立たせるにはやはり行政の支援が必要だということでした。

江戸川区にはない試みとしておもしろいと思ったのは、休憩施設付「砧クラインガルテン」(クラインガルテンはドイツで発展した大型市民農園です。)クラインガルテンには車いすの方でも利用できるように大きな舟形の畑もありました。もう1つは、JA砧が開設したファーマーズマーケットで、1階で地場野菜を販売し、2階はレストランになっていました。2年前に地域住民の要望でつくられましたが、たいへん好評で今年3月には、もう1か所烏山にも開設されました。レストランでお昼をいただきましたが野菜たっぷりのとてもおいしいランチでした。

今年3月に策定された「食料・農業・農村基本計画」では、大河原まさこさんたちの提案が取り入れられ、初めて都市農業の振興が農政の柱の一つとして位置付けられました。今後、都市農地の保全や都市農業を取り巻く制度の見直しが検討され、都市農業をさらに発展させる施策が展開されることになります。だいじな自然環境であり、区民の財産でもある緑としての農地を保全することは、生産者だけの問題にすることなく、区と区民が共有し、ともに対策を講じていく必要があります。

↓「砧JAのファーマーズマーケット」「野菜たっぷりのランチ」