破綻した核燃料サイクル構想は中止を!

2014年7月28日 15時15分 | カテゴリー: 活動報告

経産省で説明を聞く

 7月18日に、経済産業省へ使用済み核燃料再処理事業の廃止に関する申し入れに行きました。連携して活動している市民ネットワーク北海道のメンバーが交流集会参加のために東京に来たので、これを機会に各地域の生活者ネットワークも東京・生活者ネットワークと共に経済産業省と環境省に申し入れをすることにしたものです。江戸川・生活者ネットワークも申し入れ書を提出しました。

 核燃料サイクルのための施設である高速増殖炉もんじゅも、青森県・六ヶ所村の再処理工場も、いまだに失敗続きでうまくいく見込みはないのが現状です。

 もんじゅは、4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」ではその存続が決まりました。つまり、今後も稼働していないのに、1日5,500万円の電気代をかけて、原子炉を冷やし続けるのです。アメリカもロシアもイギリス・フランスもとっくにこの現実性の乏しい計画から撤退しているのに、日本だけがなぜいつまでもしがみついているのか、本当に理解できません。素人考えですが、この分の電気を一般家庭にまわせば、電力不足の若干の足しになるのではないかとも思います。

 青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場も当初の建設費7,800億円がすでに3兆円を超す額になっているだけでなく、運転・補修費などを含めると11兆円にもなるという試算もあります。30年以上稼働しているフランスのラ・アーグ再処理工場周辺では、小児白血病の発症率がフランス平均の約3倍にのぼるというレポートが発表され、再処理工場の運転や放射能放出を規制する動きが出ています。原発が1年間に出す放射能を、再処理施設は1日で放出してしまうのです。今年10月から稼働予定とされていますが、稼働後のつけは住民にまわってくるのです。

以下、要請文を添付します。

 内閣総理大臣   経済産業大臣   環境大臣   原子力規制委員会委員長

使用済み核燃料再処理事業の廃止に関する申し入れ

                           2014年7月18日

       江戸川・生活者ネットワーク 代表:藤居 阿紀子

福島第一原発事故は、広大な土地を汚染し、15万人もの人々から住み処を奪い、高濃度の汚染水は止まらないまま、メルトダウンした核燃料は、回収不可能という恐れさえ指摘され、今日に至っている。

日本の原子力政策は、最悪の公害産業である原子力産業を、公害規制法から全面的に適用除外し、核燃料サイクル構想を推し進めてきた。しかしながら、高速増殖炉もんじゅは、多発する事故・点検漏れなどによる無期限使用停止に追い込まれるなど、核燃料サイクル構想は完全に破綻している。そもそも、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理事業は、一旦過酷事故が発生すれば、福島第一原発事故を遙かに上回る被害をもたらすことは必至であり、そればかりか再処理施設は、たとえ事故に至らなくても原発一基が一年間で放出する放射性物質を1日で排出するといわれている。

日本原燃は、「拡散・希釈」の名の下に、大量の放射性廃棄物を海に大気に放出し、自然環境中にばらまいて、薄めてしまえばよいとしているが、この考え方自体が、放射性物質による環境汚染の防止という視点を欠いている。 

このような再処理事業が実施されるに至ったのは、放射性物質が公害規制法から全面的に適用を除外されてきたからである。原子力産業は公害法の規制を受けることなく、原子力基本法を始めとする原子力産業推進のための法体系によって、国策として推進されてきたのであり、この暴走を、いま止めなければ、取り返しのつかない汚染拡大の結果を招くことになる。

既にフランスのラ・アーグやイギリスのセラフィールドの再処理工場では、住民や周辺国から閉鎖を求める要求が続いている。六カ所再処理工場の操業に伴う放射能汚染については、岩手県内から、海洋汚染を規制する法律の制定を求める取り組みが行われており、「放射能海洋放出規制法(仮称)」の制定を求める請願を、県内35市町村中、34市町村が採択している。

福島第一原発事故を契機に、環境基本法が改正され、放射性物質は公害物質として扱われることになった。また、大気汚染防止法と水質汚濁防止法についても、放射性物質の適用除外規定は削除されたことに鑑み、以下、早急な対応を求めるものである。

1. 政府の義務として、環境基本法上の環境基準を定めること。

2. 放射性物質の公害規制については、放射性物質の性質上、排出・排水基準は地域・施設の別なく一律に定めること。

3. 放射性物質について、線量管理目標値50マイクロシーベルト/年、規制基準は、法律上の公衆被曝線量限度の1ミリシーベルト/年と定めること。

4. 政府は、これらの環境基本法や、その実施法である大気汚染防止法、水質汚濁防止法の定める法律上の義務に従って、所要の政令、省令を整備するために、公害規制と相容れない再処理事業については廃止すること。

江戸川・生活者ネットワークは、これまでこのような有害無益な事業を推し進めてきた原子力政策に強く抗議し、使用済み核燃料再処理事業の全面的廃止を要請し、以上申し入れるものである。

以上